「負けるのイヤだからやらない」

2010年04月08日

 先日は『大人が楽しまないと家庭では根付かない』と書いたが、次は一歩進んで『なぜ、大人がボードゲームで遊んでくれないか?』ってところを考えてみたい。

 何人か、大人の初心者の方と遊んで聞いた言葉だが、「負けるのがイヤだから~」と言うのが意外と多い。うーん、確かに子供相手にアブストラクト(運要素の少ない将棋タイプ)系で負けちゃった日には「あちゃ~」と凹むけど、勝った負けたがあるからゲームは面白いんだと思う。一生懸命頭を使い、必死でサイコロに祈り、本気で交渉するから、その結果「勝利」が楽しいんだと思う。逆に頑張って負けるから、悔しくて、反省して、も一回やろうって楽しめるんだと思う。
 そもそもゲームに負けても、お金が減るわけでもなく、昇進が止まるわけでもなく、合否が決まるわけでもない。ただ単に『悔しい』だけ。負けても何らデメリットがある訳じゃなく、むしろ勝敗が存在することで熱い時間が過ごせる。「負けるのがイヤ」で敬遠するのは、ちょっと勿体ないなぁと思う。教育的にも大人がこれを言っちゃうと、子供に対して「勝ち負けより、頑張ることが大切だ」とか言っても説得力が無くなる。
 実際、負けて悔しい→いろいろ考えて再挑戦→計算がはまって勝利、となると本当に気持ちが良い。この気持ち良さを伝えられれば、少しは魅力を感じてくれるのかもしれない。

 ここまで書いてふと思ったのだが、ゲーム機のゲームなどはこの思考から少し外れている気がする。『負けるから頑張って勝利を目指す』という、この部分は共通する。でも、相手はCPUであり、最終的に倒す対象でしかない。負ければゲームオーバー、それで終わりってことである。戦っている過程も楽しくはあるが、究極的には『勝利』だけを求められている気がする。
 ボードゲームは対戦相手が人間だ。当然、自分が勝てば相手が負け、相手が勝てば自分が負ける。勝つことを目標とするが、どっちかというと『勝負』の部分がメインになる気がする。この辺は、スポーツに共通するから、『頭脳スポーツ』って言葉があるのかもしれない。ある意味健全に『勝ち負け』を学べ、楽しめるんだね。
 ちなみに、当サークルのライト卓選定ゲームは、適度に運要素も混じっており大人が子供に負けることもあります。また、論理的ゲームも軽めの思考なので、これまた負ける可能性があります。子供は大人に勝とうと本気できますので、こっちも大人の威厳をかけ迎え撃ちましょう!


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この記事へのコメント
こんにちは。
幼少から将棋や囲碁などに親しんできたたみ家にとっては
負けるのが嫌だからやらないという人が多いのは寂しい限りです。

というより、そういう感覚が、日本そのものをダメにしてるとさえ思います。
Posted by たみ家たみ家 at 2010年04月08日 18:32
おぉ、藤塚の『たみ屋』さんですか
この文章書いた旦那の『おさる』なんですが、同じ町内なんで何度か寄らせていただいてます

うちの嫁の『TEN』も、この趣味を始めるまでは負けることが苦手でした
「負け=全否定」な感覚だそうで、そういったゲーム自体をすごく嫌がっておりました
勝負と言っても遊びなんだし、その結果が人格まで決めるわけでないのに……
こういった『勝負』に慣れてないと、負けを極端に恐れたり、負けからの回復力が育たないのではないでしょうか
この辺が、最近の子達の極端な安全志向とか、受験失敗で引きこもりとかあるのかな~とか思います
Posted by おさるおさる at 2010年04月09日 19:02
こんばんわお手玉ピエロです。よくあるのは「ゲーム(勝負事)の
詳しいルール(内容)を把握できないあいだに慣れた人たちだけでゲームを進めて気が付いたら負けてた。」様な流れです。
ゲームの楽しみの一つが「最善手が何か考えアクションを実行する。」なのに内容を把握してないあいだに周りだけ進んでゲームを楽しむ間も無く終わったらベテランだって嫌な顔します。
内容(できる事)や対戦者を把握、理解することで「今度はこうしてみよう。」とか「この人にはこうした方がいいかな?」など次戦への
意欲(楽しみ)が湧きゲームへの関心も少しずつ出てくる気がします
ゲームは勝負事ですが共同作業とも受け取れます。(甘い考えですが)的確で分かりやすい説明、ゲームの途中でもヒント(答えではなく)を出して導いたりして相手を活かせる術を慣れたプレーヤーには
求められてると思います。(実際はなかなか出来る事じゃ無いですが)勝ち負けだけでなくその「間」に参加した人が楽しめる魅力が
伝われば少しずつでも人が寄ると思います。
Posted by お手玉ピエロ at 2010年04月10日 01:42
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